肉割れは遺伝する

肉割れができる原因には、太りすぎてしまったりひどく乾燥してしまったりなどありますが、実は遺伝も関係することをご存じでしょうか。

 

今回は、どのような遺伝で肉割れができやすくなるか、また、遺伝であればどのような対策を取ればいいのか考えていきたいと思います。

 


肉割れは遺伝しないが肌質は遺伝する

肉割れは遺伝する

肉割れ(ストレッチマーク)は直接的に遺伝するわけではありませんが、遺伝的な要素が関与する可能性があります。 特に、皮膚の性質や体質、ホルモン感受性などが遺伝の影響を受けることがわかっています。

 

皮膚の柔軟性やコラーゲン量

 

肉割れは皮膚の柔軟性や強度が不足している場合に起こりやすいです。これらの特性は遺伝的な要素に左右されるため、家族に肉割れができやすい人がいる場合、自分もそのリスクが高まる可能性があります。

 

油分の分泌量

 

皮脂腺の活動性は遺伝により決まります。これにより、オイリー肌、乾燥肌、混合肌などのタイプが影響を受けます。家族にオイリー肌が多い場合、自分もオイリー肌になる可能性が高いです。

 

オイリー肌はニキビや吹き出物が出やすくメイク崩れを起こしやすい、乾燥肌はかゆみや赤み、シワができやすくなる、混合肌は部分的なニキビやメイクの持ちが悪くなるといったデメリットがあります。

 

この中でも肉割れにとっては乾燥肌タイプが一番相性が悪く、ちょっとした乾燥でも肉割れができやすくなります。

 

敏感肌

 

肌のバリア機能や反応性も遺伝に影響されます。敏感肌やアレルギー体質は遺伝することが多く、親が敏感肌である場合、子供も同様に敏感肌になる可能性が高いです。

 

肉割れはだれの肌にもできる可能性がありますが、敏感肌の影響で肌質が低下しているときに皮膚が伸ばされると肉割れができやすい状況になります。

 

敏感肌というと顔をイメージしやすいですが、お腹や太ももなどもアレルギーを起こしやすくなるためからだ全身のケアが必要です。

 

色素沈着の傾向

 

メラニンの生成量や色素沈着のしやすさも遺伝によります。例えば、そばかすができやすい体質や、日焼けしやすい体質などが挙げられます。

 

色素沈着をともなう肉割れは遺伝の影響が大きいといえます。

 

ホルモン感受性

 

肉割れは思春期や妊娠など、ホルモンの変化が原因で起こることが多いです。 ホルモン分泌のバランスやホルモンへの感受性も遺伝することがあるため、家族の体質が影響する可能性があります。

 

体質の遺伝

 

過度な体重増加や筋肉増強といった外部の要因も肉割れの原因ですが、これらのリスクに影響を考慮した体質、例えば太りやすさや筋肉がつきやすい体質なども遺伝的な要素が関係しています。

 

老化の進行

 

実は、肌の老化速度も部分的には遺伝の影響を受けます。シワやたるみの出やすさ、シミの出やすさなどがこれに含まれます。

 

老化は肉割れができる直接の原因ではありませんが、老化が進むとクリームなどでケアしても治りにくくなったり、クリニックで治療しても跡が消えないといったことがあるので、侮れません。

 

肉割れは老化が始まる前にケアするのが必須ですので、消したいと考えている方は見つけたらできるだけ早いうちに治療することをおすすめします。


直接遺伝する可能性がある皮膚疾患

一定の割合で遺伝する可能性がある皮膚疾患をいくつかご紹介します。

 

アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎は、遺伝的要因と環境問題が存在する慢性的な皮膚炎です。 特に親がアトピー性皮膚炎を持っていると、子供にも発症しやすい傾向があります。そのため、外部の刺激に敏感になり、かゆみや湿疹が起こりやすくなります。

 

乾癬(かんせん)

乾癬は免疫系の異常によって皮膚細胞の異常な増殖が起こる疾患です。この疾患も遺伝性が強く、家族内で複数人が罹患している場合がよく見られます。特定の遺伝子変異が乾癬の発症リスクを高めることが知られています。

 

白斑(はくはん)

白斑は、皮膚の色素を作るメラノサイトが減少または消失することで、皮膚が部分的に白くなる病気です。 家族に病歴があると発症リスクが高まることが知られています。

 

魚鱗癬(ぎょりんせん)

角質が過剰に形成される疾患で、遺伝子変異(特にFLG遺伝子)が原因です。常染色体優性遺伝または劣性遺伝のパターンがあり、重症度も遺伝によって異なります。

 

ダリエ病(毛孔性角化症)

ダリエ病は、皮膚の角質細胞の異常によって小さな発疹ができる遺伝性疾患です。皮膚がざらざらし、汗をかくことで症状が悪化しやすくなります。

 

先天性表皮水疱症(EB)

皮膚が非常にもろく、わずかな刺激で水ぶくれやびらんができる遺伝性疾患です。 重症の場合、粘膜や内臓にも起こることがあります。

 

これらの疾患は、遺伝的な問題が強いものもあれば、環境汚染との相互作用によって発症するものもあります。 家族に同じ症状を持つ人がいる場合は、皮膚科での相談をおすすめします。

遺伝が関係する肉割れを予防する方法

遺伝による肉割れの予防法

遺伝による肉割れの発生や悪化を完全に防ぐことは難しいですが、適切なケアやライフスタイルの改善により、影響を最小限に抑えることが可能です。

 

健康的な生活習慣

 

肌の健康を保つために、抗酸化物質(ビタミンC、E、βカロテン)、オメガ3脂肪酸、亜鉛、シリカなどを含む食事を心がけましょう。こまめな水分補給も効果的です。

 

マッサージや入浴で血行を促進させることにより、肌に必要な栄養素をからだ全体に運ぶことができます。

 

ストレス管理

 

ヨガ、瞑想、深呼吸などのリラクゼーション技法は、ストレスを軽減させることも効果的です。ストレスはホルモンバランスを乱し、肉割れの発生や悪化の原因になります。

 

肌の修復と再生が行われる夜間に十分な睡眠を取ることも大切です。

 

適切なスキンケア製品の選択

 

肉割れには保湿性が高く有用成分がしっかりと入ったクリームを使うようにしましょう。洗顔と同じで、肌タイプに合った石けんやボディソープを使用し、皮脂や汚れをしっかりと落とします。

 

ただし、過度な洗浄は避けることが重要です。オイリー肌でも過度の洗浄は皮脂分泌を促進することがあります。

 

また、肌のバリア機能を維持するために、保湿は欠かせません。乾燥肌だけでなく、オイリー肌や混合肌にも適切な保湿が必要です。

 

もし肉割れが露出する場所にある場合には、日焼け対策も必須です。日焼け止めを毎日使用し、紫外線から肌を守るようにしましょう。。紫外線は肌の老化を加速させ、肉割れの悪化の原因となります。

 

遺伝の点から見てもどの製品を選べばいいかわからない場合は、①有用成分がしっかりと含まれているもの、②保湿効果があるものは優先的に選ぶことをおすすめします。


遺伝は肉割れに影響を及ぼす

遺伝による肉割れケア

肉割れが遺伝するわけではありませんが、遺伝的な懸念がリスクに影響を与える可能性はあります。 なお、生活習慣やスキンケアの工夫によってそのリスクを大幅に軽減することができます。

 

両親や兄弟(姉妹)に肉割れができる人がいる場合は、早めの予防ケアを行うことで、発生を防ぐことが可能です。